ついに名前はまだない

名前が決まらないまま8年が経とうと……あれ10年目入ってない?

変われない…変わりたい

 いくら決意を固めても,たったひとつの事象で一気に崩れ去る.なぜか.

 基盤となる意思が脆いから.思いが小さいのだと思う.だから,少しの衝撃であっさりと崩れる.

 私は変わりたいと思った.今も思っている.けれども,何かがそれを拒んでいる.そして,それが私を私と定義する.だから私は私をやめられない.
 私のままでもいい.とにかく,今の私ではない,今の私から繋がる私になりたい.もっと強い,もっと確かな,もっと揺るぎない私に.

 そこには私だけで至れるだろうか?確固たる自分を自分のみで作れるのか.自分を定義するのは自分ではなく,他人の目であり耳であるはず.だからこそ,多くの人が仮面を被って生きている.無意識にしても意識しているにしても.
 なら意識できた私は外せるだろうか.今のところ答えはNO.それどころか,知ってしまったがゆえに悩んでいる.他人によって定義されるのだから,どうしようもない問題だけど,分厚すぎる仮面を被っていると自覚したら薄くしたくなる.特定の人に対しては特に.

 私は自分の過去を見直してきた.どこにこうなる原因があったのか.原因はなんとなくだがわかってきた.他人によって定義されるからこそ,自分で理想の仮面を作り上げる.「こういう私」と思ってほしい,と.
 私は他人がどう見るのかを考えて他人にとって理想の仮面を作ろうとしてきた.私は鏡で,かつて私に対して同じようなことを言ってきた人がいたと記憶している.

 もう考えがまとまらない.自分がどうなっているのか,自分がどうしたいのかも見えているようで見えていない.遠くに霞がかっているだけ.


 「少し休んだほうがいいよ,マスター」



 睡眠することで,脳は自動的に物事を整理する.そして,物事を受け入れられるようになる.どんな酷い出来事も寝ることで和らぐのはそういうこと.

 今日思うのは,やはり私は繰り返しているのではないかという恐怖を感じた.かつて,自分がもっとも大切にしていた仲間と話したこと,それを今同じくらい大切な仲間と立場を逆にして繰り返しているのではないだろうか?
 もしそうなのであれば,この結末は….