ついに名前はまだない

名前が決まらないまま8年が経とうと……あれ10年目入ってない?

なんだかよくわからないことになってる

 いや,ほんとうによくわからないのだが,ケンカしてる.原因は私にあるようだし,心あたりがない訳ではないのだが,一方的に怒ってるらしい.正直,どうしようもない.何が気に喰わないのかすら話さず,ひたすら罵詈雑言を浴びせてくるものだから私も本気でヤバかったのだが,なんとか堪えて今に至る.
 自分の忍耐力というか理性というかの高さに自分自身でも驚いている.こうまで言われたら大抵の人間は反論の一つでもするだろうが,なんというか…ぶっちゃけ諦めてる.

 どうせ言ったって無駄なのは明白だ.なにせ相手は私とは違ういきものだ.理性はあるが論理性はない.そういう生き物だ.一応人間だが,そういうものだと聞いている.確かにそのとおりだと思う.感情にまかせて言ってるだけだから,それに対して論理的に説いたところで神経を逆なでするだけだ.
 だから,私は黙って耐える.結局,腹を立てている人間に対してはそれが一番効果的なのだ.反論…というか,なにか言っても全部火に油を注ぐだけ.消火しようとして近づけば火傷する.そういうもんだろう.
 それに,不満のある時は不満を全部ぶちまけたほうがすっきりするものだ.反論されて言いたいことが言えなくなったらわだかまりが残るだけ.だから私は黙って見守るだけ.…私に対して言ってるのだが,聞いているだけ.聴くのではなく.
 そのうち気が済むだろうさ.でも,そろそろなにか言わないと何も言わないことに腹を立てるかな.全く,面倒な生き物だ.

 「なぁマスター.そうしたら君自身のわだかまりは,君自身の怒りはどうするんだ?」



 そんなもの,堪えるに決まっている.吐く場所なんてありはしない.ああ,そうか.ここがそうなのかもしれない.やっぱりこうやって自分の内にある黒い感情を吐き出す場は必要だね.

 そうそう.私は占いはあまり信じないが,よく見ているのだが…今月の私の運勢は「激しい感情をぶつけられて云々」「落ち着いて対処するのがいい」「開運の方法?はメモに思ったことを書く」類のことが書いてあってだね…初めて信じてみようかと思ったよ.いや,ほんとにね.


 …意外と適当なこと書いて当たってる人が信じるようになるもんなのかな,占いってのはさ.

 「マスター…話を戻すが,あまりそういう感情は溜め込むものじゃない.時にはどこかで吐き出さないと…どうにかなったら私たちは悲しいから…な」


 分かってる.大丈夫,もう呆れとかそういうレベルだから,怒りすら湧かないよ.最初に書いたように相手は別の生き物だ.人間だけど人間じゃない.人間じゃないけど人間.そういうもんだと思ってるから,諦めてるさ.あれだ,小さな小さな,言葉も通じないような子供を相手にする感じかな.…もっとも,相手は大人だけどね.



 ま,この辺で終わりにして,今日は休むよ.ストレスには睡眠が効果的だ.脳が自然と物事を整理してくれる.そうすれば,自然と怒りも悲しみも何もかも無くなるさ….そう,無くなるのさ.